皆様の会社の従業員は、会社に対して忠実でしょうか?
また、会社と従業員との間に信頼関係はあるでしょうか?
これらは「帰属意識」という文脈で語られることも多く、経営者を悩ませる問題の一つとされています。
今回は従業員の帰属意識を測るための方法についてご説明いたします。
帰属意識を高める必要性
帰属意識は離職率や仕事に対するモチベーションなどの形で表れます。
テレワークや副業など多様な働き方が推進される今日においては、一つの会社に「帰属意識」を持つことに対して拒絶反応を示す人も一定数います。
たしかに、従業員の会社への帰属意識が強くなりすぎてしまい、結果として長時間労働により体を壊してしまっては元も子もないことです。
しかしそれでもなお、組織に対する帰属意識はマネジメントにおける重要な課題となっています。
帰属意識を高めることは離職率や欠勤率の低下につながり、それにより生産性や売上の増加にも繋がるからです。
なお、帰属意識は「組織コミットメント」「エンゲージメント」などと呼ばれることもあり、正確には定義が異なりますが、ここではわかりやすく「帰属意識」という用語で統一します。
帰属意識の3要素
帰属意識には次の3つの要素があるとされています。
- 組織の目標に対する信頼と需要
- 組織の代表として進んで努力する姿勢
- 組織の一員としてとどまりたいという願望
経営者としては、従業員にできる限りこの3つを強く持ってもらいたいと思うものです。
では、従業員の帰属意識はどのようにして評価すればよいのでしょうか?
帰属意識を測る12個の質問
従業員の帰属意識を測るためののツールとして、「Q12(キュートゥエルブ)」というものがあります。
これは、12個の質問を通して帰属意識の高さを判断する指標で、アメリカのGallap(ギャラップ)社が作成したものです。
12個の質問によって、従業員の帰属意識のレベルが判断できるとともに、帰属意識を高めるための視点が浮かび上がります。
具体的に見てみましょう。
Q1:職場で自分が何を期待されているのかを分かっている
Q2:仕事を正確に遂行するために必要な設備や資源を持っている
Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日持っている
Q4:この1週間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
Q5:上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気遣ってくれている
Q6:職場の誰かが自分の成長を励ましてくれる人がいる
Q7:職場で自分の意見が尊重されている
Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
Q9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
Q10:職場で、誰か最高の友人と呼べる人がいる
Q11:この半年のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会を持った
いかがでしょうか。
これらを全ての従業員に要求することには抵抗があるかもしれませんが、参考にはできるのではないかと思います。
最後に
今回は帰属意識の高さを評価する方法についてご説明しましたが、帰属意識は高ければ高いほうがいいというわけではありません。
会社への帰属意識があまりに高すぎると、多様性を受け入れることができなかったり、他のメンバーに対して価値観を押し付けてしまうといったデメリットが生じることもあります。
帰属意識もバランスが重要ということです。