解雇

ほとんどの会社では副業・兼業は原則禁止としているのではないでしょうか。

しかし、今後は兼業・副業を解禁することによって、採用戦略に活路を見いだせるかもしれません

厚生労働省は2018年1月31日に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表し、「モデル就業規則」の改訂を行いました。

現在は就業規則上で副業・兼業を禁止し、あくまで例外的に許可する運用をとっている会社がほとんどです。

中小企業庁が委託事業で行った調査によれば、副業・兼業を認めていない会社が85.3%、推進はしていないが容認している会社が14.7%となっています。

副業・兼業の問題点

副業や兼業を認めたときの課題・懸念としては、自社での業務が疎かになることや、情報漏えいのリスクがあることなどが考えられます。

副業・兼業を禁止することは、法律上、全く問題がないわけではありません。

労働者が労働時間以外の時間をどう使うかは基本的に労働者の自由だからです。

運営会社が準社員からのアルバイト許可申請を4度にわたって不許可にしたことについて、後2回については不許可の理由はないとした事例(京都地裁平成24.7.13判決)など、副業・兼業禁止を違法とした裁判例は何件かあります。

副業・兼業のメリット

今回のガイドラインでは、原則として、副業・兼業を認める方向とすることが適当であるとしています。

総務省がまとめた就業構造基本調査によれば、副業を希望している者は年々増加しております。

従業員の立場からは、副業・兼業を行なう理由として、スキルアップ、資格の活用、十分な収入の確保などが考えられます。

副業・兼業を認めることの企業側のメリットとしては、

  • 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
  • 労働者の自立性・自主性を促すことができる。
  • 優秀な人材の獲得・流出防止ができ、競争力が向上する。
  • 労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。

などが挙げられています。

留意すべき点

もっとも、会社にとって留意しなければいけない点はいくつかあります。

まず、必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務をどう確保するのかは課題です。

これについては、副業・兼業を認めるとしても、いきなり届出制で自由に行わせるなどではなく、許可制の上で許可の範囲を限定的なところから認め、職務専念、秘密保持、競業等、労務上支障があると会社が判断したときは直ちに、副業・兼業について一時停止を命じることができるようにしておく必要があるでしょう。

どの業界においても、採用難が叫ばれています。

副業・兼業を一定程度認めることで、採用においても良い影響が出るかもしれません

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