※当記事は2014年9月時点の法令等に基づいて執筆されています。
2014年4月にパートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)が改正され、2015年4月から施行されることになっています。
改正前は、
- 職務内容が正社員と同一であって、かつ、
- 人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一であり、さらに、
- 無期労働契約を締結している
パートタイム労働者については、賃金、教育訓練、福利厚生施設の利用をはじめ全ての待遇について、正社員との差別的取扱いをしてはならないとされていました。
今回の改正によって、3の要件がなくなり、1と2を満たすパートタイム労働者については、正社員との差別的取扱いが禁止されるようになりました。
また、パートタイム労働者が1と2の要件を満たさない場合でも、パートタイム労働者と正社員の待遇を相違させる場合は、職務の内容等を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする「短時間労働者の待遇の原則」が新設されました。
今までは、現実的に、3無期労働契約を締結しているパートタイム労働者というのはあまりいなかったと思われますが、今回の改正によって、3の要件がなくなったことから、正社員との差別的な取扱いが禁止されるパートタイム労働者の範囲が大幅に広がることになります。
なお、パートタイム労働法の対象となるパートタイム労働者とは、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と定義付けされており、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「臨時社員」「準社員」などの呼称は関係がありません。
その他にも企業が対応しなければならない改正点がありますので、詳しくは弁護士までお問い合わせ下さい。