ご相談企業様について
業種
サービス業
ご相談に至った経緯
当事務所と顧問契約を締結していただいているクライアント企業様からのご依頼です。
クライアント企業様では、取引先とクラウドサービスを利用した売買契約を締結しようとしており、相手方から売買基本契約書を提示されました。
今回は、担当者様が修正を行ったものを弁護士にチェックを行ってほしいとご依頼をいただきました。
解決までの流れ
弁護士が売買基本契約書のチェックを行ったところ、いくつかクライアント様に不利な条項がございました。
今回は相手方が契約書の修正に応じる姿勢があるということでしたので、万一のときにクライアント様が不利な立場に立たされることがないように修正を行いました。
担当者様とメールやお電話でやりとりを行いながら調整を行い、ご依頼から3日後に契約書の最終版と修正前後の対照表をお送りしました。
弁護士のコメント
ご依頼をいただいた時点では、売買基本契約書にいくつかの問題点がありました。
まず、商品の納入後にクライアント様が「速やかに」商品の検査等を行わなければいけないと規定されていたため、クライアント様がなるべく時間的な余裕をもって検査等を行うことができるように修正を行いました。
契約書や法律の条文では、「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」といった表現が使われることがあります。
一般的な用語としては似た意味にも思えますが、法律上は要求される時間的即時性の程度が異なりますので注意が必要です。
また、今回はクラウドサービスを利用した売買契約という性質上、通信回線の利用停止等の事由で履行遅滞や履行不能が生じたり、注文を行ったのに相手方が承諾通知を発しないといった問題が生じる可能性がございました。
そこで、そのような場合にクライアント様の責任を限定したり一定期間の経過により契約を成立させる趣旨の修正を行いました。
その他、簡単に欠品を生じさせないように代品調達等の義務を課す、相手方が負う瑕疵担保責任の期間を延長する、危険負担の移転時期をなるべく遅くする、秘密保持規定を詳細で具体的な内容に変更するなどの修正を行いました。
契約書の最終版と合わせて修正前後の対照表をお送りしたのは、修正前後の内容だけでなく、修正の趣旨までご理解いただくためです。