※当記事は2015年9月時点の法令等に基づいて執筆されています。


弁護士吉原

最近ニュースでも頻繁に取り上げられる「マイナンバー制度」。

皆さまの会社では、既に対策はとられていますでしょうか?

日々の業務に追われて十分に制度が理解できていない、対策がとれていないという方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、今回は、企業側としてどのような影響が生じるのか、そして企業がとるべき対策について簡単に説明してみたいと思います。

なお、制度自体に賛否両論あるところですが、それについては今回は省略します。

そもそもどんな制度なのか?

「マイナンバー制度」と略されることの多いこの制度ですが、正式には、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」という法律に定められた制度です。


この制度は、住民票を有する国民ひとりひとりに12桁のマイナンバー(個人番号)を付し、行政側が所得や行政サービスの需給状況を把握しやすくし、「公平・公正は社会の実現」「国民の利便性の向上」「行政の効率化」を図ることが目的と言われています。

企業側がとるべき対策、気を付けるべきこととは?

従業員にマイナンバーの提供を求める

「マイナンバー制度」は従業員、株主、顧客等様々な方面で関わってくるものですが、今回は最も身近な問題である従業員との関係についてご説明したいと思います。

まず、税務署に提出する税務関連の書類(給与所得の源泉徴収票等)には、従業員各人のマイナンバーを記載する必要があります。

また、健康保険、厚生年金保険、雇用保険等の各種届出にもマイナンバーを記載する必要があります。

個人のマイナンバーは直近の平成27年10月から各人の住所に通知される予定となっておりますので、雇用主は、従業員各人からマイナンバーの提供を求める必要があります。

その際には、当該番号が本当に各従業員に付与されたものなのか、運転免許証等の本人確認書類も一緒に提出を求め確認した方が良いでしょう。

また、個人とは別に法人にも13桁の法人番号が付与されますので、お知らせが届いた際にはその書類を確実に保管し、先に述べた各種申告や届出の際に間違いのないようにする必要があります。

提供を受けたマイナンバーの管理

このマイナンバー制度では、これまでの個人情報保護法と比べ、情報流出の場合の罰則が厳しく規定されているため、特に、従業員から提供を受けたマイナンバーの漏洩には最善の注意を払う必要があるでしょう。

そこで、従業員から提供を受けたマイナンバーを誰がどのような形で保管・管理するのか予め決めておく必要があります。

そろそろ皆様・従業員の元にマイナンバーが届く頃です。

既に対策をとられたという方は、従業員からマイナンバーの提供を受けるにあたって改めて確認をしてみてください。

また、もしまだ対策をとっていないという方がいらっしゃいましたら、上記を参考にして対策をとっていただければと思います。

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