2020年6月8日、公益通報者保護法の改正案が可決・成立しました。
公益通報者保護法は、組織の不正をマスコミや社内の通報窓口に通報した人を保護するための法律として2006年に成立しました。
しかし、企業に対する義務付けや通報者の保護が不十分であるという批判もありました。
今回の法改正では、内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が事業者に義務付けられる(300人以下の中小企業は努力義務)とともに、勧告に従わない場合の公表の制度などが導入されることになりました。
具体的な内容は今後公表される指針などで明らかにされる見込みです。
内部通報窓口とは
内部通報制度は、社内の不正を早期に発見し、行政やマスコミに直接通報される前に対処することができることから、会社にとってもメリットの大きい制度です。
2016年に消費者庁が行った調査によると、内部通報制度を導入している企業は全体の46.3%でしたが、従業員の多い企業ほど割合が高く、50人以下の企業ではわずか1割に留まりました。
内部通報窓口(ヘルプライン)の設置
体制の整備の第一歩となるのが、「内部通報窓口(いわゆるヘルプライン)」の設置です。
内部通報窓口とは、従業員が会社の不正行為を組織の内部または第三者に対して通報することができるものです(厳密にいえば、いわゆる「内部通報」と公益通報者保護法における「公益通報」は通報者や通報事実の範囲が異なるのですが、ここでは詳しい解説を省きます。)
内部通報窓口は、社内の不正を早期に発見し、行政やマスコミに直接通報される前に対処することができることから、会社にとってもメリットの大きいものです。
内部通報窓口を設置する際には、利用者である従業員に、信頼できる窓口だという認識を持ってもらうことが何よりも重要です。
通報内容がどのように調査され、個人情報がどのように扱われるかが不透明だったり、「通報者が報復されるのではないか」という利用者の懸念が払拭できなければ、窓口として正常に機能しません。
信頼できる外部に委託を
内部通報制度の実効性を確保する手段の一つとして、信頼できる外部の組織に窓口対応を委託する方法があります。
弊所では顧問先様から内部通報窓口対応のご依頼をいただき、内部通報制度に関する規程の作成や、窓口対応を行った実績がございます。
内部通報制度の導入をお考えの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談いただければ幸いです。