8月1日より、改正薬機法(医薬品医療機器法)が施行されました。
今回の改正により、医薬品等に関する虚偽・誇大広告に対して新たに課徴金制度が導入されました。
薬機法第66条1項は、「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない」と定めています。
また、同条2項は「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする」としています。
たとえば、実際には効果がないにもかかわらず、新型コロナウイルスに対する免疫力がアップすると虚偽の表示をしてインターネット上でサプリメントを販売しようとするような行為が薬機法違反となります。
これまで虚偽・誇大広告の禁止に違反したときの罰金は最大200万円とされてきました。
しかし、違法な広告により不当な利益を得た企業は罰金を支払っても十分な収益を手元に残すことができ、「逃げ得」が許されているという指摘がされてきました。
アメリカやEUでは、違法行為によってどれだけ経済的な利得を受けたかを罰金や制裁金の算定要素に考慮することが可能となっており、これに近い制度を日本でも導入すべきだという意見が出されていました。
そこで、今回新たに課徴金制度が導入されることとなりました。
課徴金の金額は、違反を行っていた期間における対象商品の売上額の4.5%とされています(第75条の5の2第1項)。
簡単にいえば、広告規制に違反したときの罰金の上限が撤廃され、売上額に応じた課徴金が課されることになったというのが今回の改正です。
景品表示法(景表法)や薬機法などの広告を規制する法律に関しては弊所にも多くのお問い合わせやご依頼をいただいています。
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