コンプライアンス体制の整備・実践、具体的に何をすればいい?
「コンプライアンスが重要なのはわかっているけど、具体的に何をすればよいのかわからない」
そのようなお悩みをお持ちの経営者様は多いのではないでしょうか。
「コンプライアンス体制が整備されており、それを実践できている」と評価されるためには、具体的に何をすればよいのか。
このページで詳しくご説明いたします。
専門部署の設置
専門部署の設置
まずはじめに行うべきは、コンプライアンス専門部署を設置し、企業のコンプライアンス体制の整備と実践を牽引していく担当者を決めることです。
適切なコンプライアンス体制を構築するための人材は、企業の実情に精通している必要があります。
そして、コンプライアンスの順守は企業や経営陣の責任につながる問題です。
したがって、コンプライアンス専門部署の担当者は取締役が務める場合がほとんどです。
委員会、審査機関、内部通報窓口の設置
一定以上の規模の企業では、コンプライアンス専門の委員会を設置する場合もあります。
また、構築したコンプライアンス体制が機能しているかチェックする審査機関を設置し、チェックの仕組みを整備し、懸念事項が判明したときにどのような手続に対処するかついてもあらかじめ決めておく必要があります。
コンプライアンス専門部署が内部通報窓口となることによって、問題を早期に発見し、問題が大きくなりすぎないうちに対処することができます。
基準決定・マニュアル作成
次に、コンプライアンス専門部署が中心となって、実際の基準を決定しコンプライアンスマニュアルを作成します。
マニュアルは必要最低限の事項のみ記載した簡単なものから、企業の実情に応じたより詳細なものまで様々ですが、詳細なものの方が理想的です。
インターネット上でも簡単な書式が掲載されていますが、全ての企業に該当する事項のみ記載したマニュアルでは不十分です。
実際に、実践していくことを考えれば、各企業が特に遵守しなければならない法令や社会規範をピックアップしたうえで、従業員がとるべき具体的な行動指針を示す必要があるでしょう。
大企業であればあるほどより詳細なマニュアルが存しており、その意識の高さを感じとることができます。
マニュアルに記載する内容に特に制限はありませんが、企業理念・法令を遵守すべきというような抽象的なものだけではなく、文書・情報管理方法、ハラスメント禁止条項、贈収賄禁止、利益供与禁止、適正な経理処理などについては記載した方が良いでしょう。
従業員へのコンプライアンス教育
マニュアルを作成したら、それをもとに全ての従業員にコンプライアンス教育を施す必要があります。
マニュアルを作成しただけで実践できていなければ何の意味もありません。
コンプライアンス教育は、全ての従業員が確実に理解し、実行できるような方法で行う必要があります。
マニュアルを就業規則の一部として従業員が適宜見ることができるよう周知する例もありますが、それだけでは従業員に理解させたことにはなりません。
実際にマニュアルを配布し、勤務年数や役職・部署に応じて研修を実施すべきでしょう。
日常的なチェック
全ての従業員がマニュアルを実践できているか、日常的にモニタリングを行う必要があります。
そして、懸念事項が発覚した際には担当従業員への聞き取り等の事実確認を行い、違反が発覚した場合には違反した従業員に対する処分も検討する必要があります。
一度作成したマニュアルが永久に適切なものであるということはできません。
法令改正や社会の実情に応じて適宜基準を更新していく必要があります。