コンプライアンスが問題になるケースとは?
もし企業のコンプライアンス違反が発覚すれば、刑事処分・行政処分を受けるのみならず、取引先や消費者からの信用を失い、最悪の場合には事業が継続できず倒産に追い込まれるケースもあります。
しかし「コンプライアンス」といわれても抽象的でわかりづらいと感じていらっしゃる方も多いでしょう。
実際にコンプライアンスが問題となるのはどのような場面なのでしょうか。
このページでは、コンプライアンスが問題となる代表的な4つのケースをご紹介いたします。
ケース1 情報漏洩、取得情報の目的外利用
ほとんど全ての会社が情報をデータ管理している現代において、情報を適切に管理することは極めて重要です。
昨今、大手企業による大規模な情報漏洩問題が明るみになっています。
会社のステークホルダーは、自身の情報が適切に扱われるか不安を持ちながらも、企業を信用して情報を提供しているのです。
そのような中で情報漏洩や取得情報の目的外利用が発覚すれば、小さな企業であっても大きく取りざたされ、場合によっては多額の損害賠償の責任を負う可能性があります。
企業に故意がなくても、各種SNSが発達している現代社会では、従業員によって情報漏洩行為がなされる可能性もあります。
企業としては、情報の取得・管理・利用にあたっては最善の注意を払う必要があります。
ケース2 脱税・不正会計・不正受給・横領
会計に関する問題は、企業規模・業種を問わず発生するものです。
上場企業であれば、株価維持のための虚偽申告、上場企業でない企業であっても、脱税のための所得隠し・申告漏れ、各種補助金の不正受給など、さまざまな問題があります
経理担当者が隠れて不正会計を行っていた場合であっても、企業が一切の責任を免れることができるというわけではありません。
不正を防ぐための仕組みを作っていなかった、作っていたとしても不正を発見できていなかったことに対する責任を企業は負わなければならないのです。
会社の不正会計が発覚すると同時に、従業員による横領も発覚する例もありますので、横領ができない仕組み作りをすることも非常に大切です。
ケース3 労働問題
労働問題はあらゆる企業が直面する問題です。
サービス残業の問題は就業規則や個別契約の内容にかかわらず生じますし、従業員の権利意識が高まる中で各種ハラスメントを理由に企業が訴えられるケースも少なくありません。
労働契約の終了の場面では、不当解雇であるとして慰謝料を請求されるケースもあります。
労働問題においては、正当な主張をしていても、紛争に巻き込まれていること自体がマイナスイメージとなってしまう場合もありますので注意が必要です。
ケース3 従業員の私生活上の言動
従業員が私生活で起こした問題であっても、企業に全く無関係というわけにはいきません。
私生活上の言動であっても業務に関連性のあるものであれば企業イメージは下がりますし、飲酒運転・薬物・暴力など刑事事件を起こして勤務先が明るみになれば、企業イメージの悪化は免れません。
事前の対策が重要です
このように企業でコンプライアンスが問題になるケースはさまざまです。
問題の発生を未然に防ぎ、起きた問題による企業への悪影響を最小限におさえるためにも、あらゆる場面を想定して適切なコンプライアンス体制を整備することが重要です。