食品製造業の皆様へ
長時間労働や未払残業代に関するニュースが頻繁に報道されています。
このような法的トラブルは、食品製造業を営まれている経営者の方々にとっても決して他人事ではありません。
たとえトラブルが表面化していなくても、潜在的には多くの法的トラブルを抱えている可能性があります。
長時間労働と残業代問題
食品製造業の企業の一部では、慢性的な人手不足による長時間労働や未払い残業代の問題が起こっています。
食品製造業では季節によって変動する市場の需要の変化に対応することが必要なため、どうしても労働時間が長期化してしまう時期があります。
これに人手不足が重なると長時間労働が発生します。
昨今、食品製造業だけでなく様々な業種で長時間労働の問題がとりあげられています。
2020年には民法改正により未払い賃金の消滅時効が2年から5年(当面の間、3年)に延長されました。
残業代請求に関する知識が豊富な労働者も増えていることから、残業代の未払いが常態化している会社では、あるとき突然高額な未払い残業代を請求されてもおかしくありません。
労働者一人の請求をきっかけに、複数人が集団となって請求してくることもあります。
そうなると、一度にまとまった金額を支払う必要が生じ、企業の存続にも影響するおそれがあります。
このようなトラブルを防止するためには、就業規則や社内規定を整備し、労働者を雇用する時点において企業側に有利な内容の雇用契約書を取り交わしておくことが重要です。
派遣労働者の問題
食品製造業では、派遣労働者を使用している企業も多いでしょう。
派遣労働者が起こした問題や派遣労働者に生じた事故について派遣元会社と派遣先会社のどちらが責任を負うのか等、労働者派遣に関する法的トラブルは少なくありません。
また、明確な法規制のない部分については、派遣元企業との間で予め合意をしておくことも後のトラブル防止のために重要です。
契約書の問題
食品製造業においては、親会社や元請業者・下請業者との契約を締結している場合がほとんどだと思いますが、契約条件や代金未払いをめぐるトラブルは、いつ起こってもおかしくありません。
契約開始時点で明確な内容の契約書を取り交わしておくことで、後のトラブルを未然に防止することができますし、いざトラブルが起きたときにも有利な内容で解決することが可能です。
労働環境の問題
食品製造業において常に気を付けなければならないのが、食中毒や品質表示の問題です。
人為的ミスであっても、労働環境が原因であったとしても、企業が責任を問われる可能性は高いです。
労働環境を整えることで人為的ミスを防ぐこともできますので、やはり、社内規定を整備しておくことがとても大切です。
まずは、弁護士にご相談ください
このように食品製造業では、一般的な労使トラブルだけでなく、派遣労働者をめぐる問題、契約状況や代金未払いをめぐる問題、製造物責任をめぐる問題など、様々な法的トラブルが存在します。
将来発生する可能性のある法的トラブルを未然に防止し、いざトラブルが発生したときに有利な内容で解決することができるよう、労務や契約に関する専門家である私たち弁護士に是非ご相談ください。